エシカルコラムでは、長野県内外でエシカル消費の普及等に取り組む方々をご紹介し、エシカル消費への思いや最新情報を発信します。
今回は、長野県からの委託を受けた長野県立大学の学生が、飯田市で無添加みそや果実酢などの製造を通じて美味しさと安心を追求し、エシカルな活動を実践されているマルマン株式会社さんにお話しを伺いました。
〇マルマン株式会社ならではの特徴を教えてください。
マルマン株式会社は大手との競合や経営危機を乗り越えるため、「自然・安全・健康・環境」を軸にお客様に寄り添う商品開発を行ってきました。
無添加みそや有機減塩みそ、果実酢など、美味しさと安心を追求した経営戦略の積み重ねが、結果として現在の「エシカル消費」に結びついています。
〇これまでの活動を教えてください。
50年前、現会長が会社を大きくしていくため欧米視察を行い、将来必要とされる「自然・安全・健康・環境」の4つのキーワードを導き出しました。これらはあくまで経営方針に付随するものであり、各時代のニーズに応じた経営を重ねた結果がエシカル消費へと結びついています。
大手企業の出汁入り味噌に対抗して開発した「無添加みそ」や、中国・内蒙古自治区で約700haの農場を確保して進めた「オーガニック大豆」の栽培、地域で放置・廃棄されていた果実を活用した「果実酢」の開発など、経営危機や地域課題の解決に向けた取り組みの蓄積が現在の活動となっています。
〇特に注力していることはありますか?
加熱殺菌をしていない生タイプの「無添加みそ」をはじめ、自社管理の有機農場で育てた大豆を用い、塩分を減らしつつもみそ本来の旨味を保つ独自製法で開発した「有機減塩みそ」の製造・販売に一貫して注力しています。
また、単に高品質な商品を追求するだけでなく、工場を置く地元(南信州・飯田地区)の人口減少や高齢化という地域課題に対応するため、地元の焼肉文化を発信する商品開発などを通じて、事業活動や商品を通じて地域社会を活性化させ、地域の魅力を全国へ届ける地域振興の取り組みにも力を入れています。

〇活動を通して伝えたいことを教えてください。
食品メーカーとして最も大切なのは「美味しさ」であるということです。
どれほど環境や健康に配慮した理念が立派であっても、食べて美味しくなければ消費者に選び続けてもらうことはできません。同社では独自の製法工夫により、テレビ番組で「一番美味しいみそ」と評価されるなど味へのこだわりを証明してきました。
最初からエシカルを目指したわけではなく、企業の存続のために行ってきたお客様に寄り添う商品開発の結果が、現在の活動に結びついています。
〇今後の展望があれば教えてください。
長年培ってきた「自然・安全・健康・環境」という理念や確固たる軸を守り続けながら、時代の変化や消費者の真のニーズに応える商品を提案し続けていきます。
今後は地産地消を目指した原料調達の推進や、自社の商品を通じて地元の魅力を発信し、地域振興に寄与する商品づくりを目指します。
〇エシカル消費とはどのようなものだと思いますか?
消費者が「エシカルだから」と意識することだけではなく、室町時代から続くみそのように、「普遍的に良いもの」を大切にし、生活の中で愛用し続けること自体が本質であると捉えています。
企業側が理念を押し付けるのではなく、消費者が「体に良い」「美味しい」と納得して手に取った選択が、結果として環境や社会への配慮に循環している状態が望ましい姿だと考えています。
〇マルマン株式会社が考える長野県らしいエシカル消費とは何ですか?
長野県は全国のみそ消費のを生産する一大産地であり、室町時代から続く伝統的な食文化を有しています。豊かな自然と風土から生まれた美味しい食や発酵技術を守り、価値を発信していくこと自体が長野県らしいエシカル消費です。
また、地域で廃棄されかけていた果実を再利用してお酢を作るなど、地域の農と食を循環させる取り組みが根底に存在しています。
〇エシカル消費を知っている人にこれからどんなことを求めたいですか?
商品を購入したり知識を持ったりするだけで終わらせず、「買い求めた商品を食材や調味料も含めてしっかり最後まで使い切ること」を求めています。
日々の暮らしの中で食品廃棄を防ぎ、無理なく継続できる工夫を行うことが大切です。

執筆 長野県立大学グローバルマネジメント学部3年 山田 珠生さん
| お名前 | マルマン株式会社さん |
|---|---|
| 活動歴 | 35年 |
| 活動概要 | 〒395-0056 長野県飯田市大通2-217 TEL:0265-22-1234 URL:https://maruman-miso.jp |