エシカルコラムでは、長野県内外でエシカル消費の普及等に取り組む方々をご紹介し、エシカル消費への思いや最新情報を発信します。
今回は、長野県からの委託を受けた長野県立大学の学生が、飯田市役所のエシカル消費に関する取り組みについてお話しを伺いました。
〇飯田市役所ならではの特徴を教えてください。
飯田市役所は環境文化都市として、エシカル消費という概念が注目される前から環境や地域に配慮したまちづくりに取り組んでいます。
それを背景として、環境、人や社会、地域、健康の4つの配慮で構成されるエシカル消費について、こどもから大人までの幅広い世代に出前講座やワークショップ、イベントへの参加等を通して広く啓発活動を行っています。
〇これまでの活動を教えてください。
飯田市は2026年で環境文化都市30周年を迎えました。環境文化都市とは、単に環境と文化を大事にするということではなく、環境に配慮した日常の生活から、環境を優先するという段階に発展させ新たな価値観や文化の創造へと高めていくことです。環境文化都市としてまちづくりについて考える中で、環境を文化にしたまちづくりを目指すという背景からエシカル消費に取り組むようになりました。
これまで、保育園児や小中学生、さらに高校生や一般の方を対象とし、エシカル消費について学習してもらう出前講座、飯田市内で行われるイベントへの出展、動画作成、エシカル講座、フードドライブ、くらしの学習交流会、いいだエシカルマルシェといった取り組みを通して、エシカル消費を知ってもらうための活動を行ってきました。

〇特に注力していることはありますか?
飯田市は環境文化都市を標榜しており、従前からの環境教育をベースにしつつ、4つの配慮で構成されるエシカル消費について市民の理解を広げるため、各種のイベントに参加するなど、キャンペーンや啓発に注力しています。
活動の目指す姿は、エシカル消費が一人ひとりの日常生活に当たり前に定着することです。そのために、イベントへの出展や出前講座を企画する際には小さなこどもから高齢者まで様々な人が主役となり、エシカル消費を身近に感じ、「自分ごと」としてとらえてもらうことにも力を入れて取り組んでいます。具体的には、親子で参加できるエシカル消費についてのクイズやアンケートを実施したり、旬の地元野菜を使った料理教室を開いたりなど様々な人が主体となれるような活動をしています。
〇活動を通して伝えたいことを教えてください。
「エシカル消費とは、人や社会、地域、環境のための消費行動です」と聞けば、利他的・自己犠牲的な生き方のように聞こえます。しかし、それでは日常的な消費行動として持続することは大変です。そうではなくて、じつは「自分の行動が、回りまわって、自分に良いこととなって戻ってくる」と分かれば話は別です。
そこで「エシカル消費はハードルの高いことではない」「むしろ自分自身のメリットになる」と感じられる身近なヒントを提供することで、老若男女の様々な方々がエシカル消費を「自分ごと」と感じ、日々のライフスタイルに容易く取り込んでいけると考えています。
〇今後の展望があれば教えてください。
飯田市には消費者の会などの女性団体・市民団体があり、健康で安全な暮らしや自分たちの住む地域についての身近な課題について学習した成果を発表し合い、実践し合う交流が盛んです。その中で、エコバックの利用がかなり前から普及していたなど、一段階進んだ環境に配慮した取り組みが行われてきました。
ただし、このような取り組みを行ってきた団体に所属するメンバーが高齢化しており、これまでの団体の活動や思いを、どのように次世代へ引き継いでいくかを考えていく必要があります。
〇エシカル消費とはどのようなものだと思いますか?
エシカル消費は倫理的・利他的な行動と和訳されますが、環境、人や社会、地域などに配慮した商品を購入することで結果的に自分の周りの環境が改善されるように、最終的には自分に返ってくるものだと考えています。
また、一人ひとりが日々の身近な範囲で「ちょっとした思いやりの消費行動」を心がけることで、たとえ些細でも、全体化すると社会や地球環境に影響し、やがて自分の周囲の人や次世代の未来のくらしも幸福にする力があると考えます。
〇飯田市役所が考える長野県らしいエシカル消費とは何ですか?
たとえば、飯田市では「みやまし農産物認証」という独自の認証制度があります。この認証制度では、低農薬や飯田産であることなどの認証条件を設けており、「地産地消」+「健康」に配慮した消費の促進を目的としています。
このような豊かな地元食材に恵まれるなど、信州だから・飯田だからこそ実現できる「自分らしい・自分が嬉しい」ライフスタイルそのものが、長野県らしいエシカル消費であると考えます。
〇エシカル消費を知っている人にこれからどんなことを求めたいですか?
エシカル消費についての知識を持っていても余裕がないと取り組むことが難しいのが現実です。そこで少しでも余裕やきっかけがあるときにエシカル消費を思い出して意識してほしいです。
また、エシカル消費を身近な暮らしと感じている人にはそれを貫いてほしいです。その行動を見かけた人々にエシカル消費が自然と伝わり広がっていくことで知識や社会に広がっていくと考えています。

執筆 長野県立大学グローバルマネジメント学部3年 原川 綾花さん
| お名前 | 飯田市役所さん |
|---|---|
| 活動歴 | 30年 |
| 活動概要 | 〒395-8501 長野県飯田市大久保町2534 TEL:0265-22-4511(代表) URL:https://www.city.iida.lg.jp/life/2/10/264/ |